夜学舎

太田明日香の本を出すレーベルです

IN/SECTSの最新号『特集:本をつくる』に掲載されました

IN/SECTSの最新号『特集:本をつくる』にも注目の出版社、チームカタログに載せていただいたきました。

 

これを機にいろいろ振り返ってみたところ、自分で作って売るようになって、出版社から出してもらったり下請けでやってたときとだいぶ違うなと思ったので、メモ代わりに気づいたことを書いておきます。

 

まず、ビジネスモデルが大きく変わりました。

 

出版社から出してもらったり下請けでやってたときはBtoBでした。そのときは、まず取引相手が出版社だからか、書店や同業者に認められないとみたいな気持ちがすごい強かったです。

また出版社から出してもらったときは、書店に置かれなくなったら終わりみたいな気持ちが強く、置かれなくなったらどうしようとかこれだけで食べていけるようにならないとと思って、ほかの新刊とか売れてる本に対していつも焦りを感じていました。

 

今は書店への卸もありますが直販もやっているのでBtoCに近いモデルでやっています。するとだいぶ意識が変わりました。

 

業界でどう思われるかよりも、自分が何をどう作ってどの規模で売るかの方に目がいくようになりました。読者に直接売るので、読者の反応を見ながら直接やれるのと、自分で作って売ることで独自の生態系を作る感じになるからだと思います。

 

2年前に下請けはやめて、最近はライターも取材に行くのが難しくなったので、ほとんどやらなくなりました。

長年やりたいと思っていて、せっかくつけた出版の仕事を離れることに対しては、なかなか気持ちの整理がつきませんでした。

しかし10年くらいやっているうちに、これまでの鬱屈、ひがみ、うまくいってる人との比較、今更出版社の求人が増えていることへの憤りなど鬱憤が溜まってきて辛くなることが増えてきました。多分気持ち的に限界だったんだろうなと思います。

 

一度やめてみて、自分で本を作り始めてから、そういった気持ちに襲われることはだいぶ減りました。当初は挫折感が大きかったのですが、自分の将来と心の健康のために一度離れてみてよかったと思います。

 

『言葉の地層』を出してから、以前よりも本を出したいという気持ちが小さくなってしまいました。

以前『愛と家事』を書いたときにも同じような気持ちになりました。その時は先がないみたいで怖かったのですが、以前何かのイベントで、百万年書房の北尾さんが作りたいものがなくなってからが本番とおっしゃっていたので、今は北尾さんの言葉を指針に、これからが本番だと思って、腐らず焦らず自分のペースで淡々とやってきたいです。

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