夜学舎

「書く」にまつわる日記

文化と商品の間で

よく本は商品じゃない、文化だという意見があります。
しかし、わたしは夜学舎で作る本は、一種の商品として作ろうと思っています。
わたしはこれまで自分の作りたいものがなんだかよくわからなかったのですが、
どうやら、文化と商品の間にあるものが作りたいと気がつきました。

採算度外視で趣味で作るわけでも、承認欲求で作るわけでも、
商業化のステップとして作るわけでもない。
自分の気づきや自分が取材したり見聞きして面白かったことをシェアしたい。
そのお裾分けをしたいというような気持ちです。


パンを作る人がパン作りの技術によって人々の飢えを満たして、その対価としてお金をもらうように、
コーヒー屋さんがその一杯によって人々をほっとした気持ちにさせて、その対価としてお金をもらうように、
わたしは自分が見聞きした面白い、役立ちそうな話をシェアすることで、お代をもらう、そんな気持ちです。

わたしは本を「文化」としてことさらに称揚したくないなと思いました。
また、本は文化だから守れとか、それがないと生きていけないというほど神聖化もしたくないなと思いました。
パン、コーヒー、服、花、そういう、生活の中にあるいろんなものの一つとして身の回りに置いてもらい、生活に役立たせ、そして花が枯れたら捨てられるように、服がボロボロになったら雑巾にされるように、その人の血肉としてもらいたい。
そうしてもらえるなら、カバーをかけてずっと書棚に置いておかれるよりも、ボロボロになるまで読んで捨てたり、よかったからと誰かにあげてもかまわない。
そういう気分でこれからものを作っていきたいなと思いました。

本で儲けたいとは思いませんが、本のためならお金はどうでもいいとは言いたくありません。
あくまでも生活の範囲でやっていきたい。
文化を神聖視して生活を疎かにしたくありません。
もしかしたらわたしがしたいのは、生活とものづくりが一体となった民芸的な本作りなのかもしれません。

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