夜学舎

太田明日香の本を出すレーベルです

作家とライター

どこからが作家か
どこから作家と呼べるのか、どこから自分で自分のことを作家と言っていいのか謎だ。
わたしは去年『愛と家事』という本を出した。
そのあと作家と紹介されることが増えた。
わたしの本は有名でもないし、賞も取ってないし、一冊しか出してないし、たいして売れていないので、正直人から作家と言われるとこそばゆいものがある。

そして、紹介された側も明らかに「誰やねん」「本屋で見たことない」「知らん」という顔をしているときもある。そういうときは非常に気まずい。
さらに、その場にわたしの本があったりして、相手がななめ読みしていたら地獄だ。初対面の人に裸をさらしているような恥ずかしさに襲われる。
全然違う話題に変えられるときがいちばん嫌だ。

本を出したら作家なのか
詩人は自称するものだと聞いたことがある。なぜなら詩人では食べていけないし、詩人というのは生き方とかスタイルのことだかららしい。
歌人とかも同様だろう。
ライターも、なりたかったらまずは名乗って名刺を作れと言われる。
でも作家はそうじゃないみたいだ。
作家は自称するものではなく、人から呼ばれるようになってなるものだ、というイメージがある。
その中で本を出すのはハードルの一つのようだ。
ほかにも作品の内容とか出版社とかいろいろ勘案された上で、作家と呼ばれる。
幸運なことにたまにわたしも作家と呼ばれることもあるけど、全然自覚が出ない。「作家さんです」と言われても、「え、誰のこと」といつもきょどってしまう。
わたしはたぶん、自分が思う作家像に自分が当てはまってないから、すごく違和感があるんだと思う。

で、結局どうしたいの??
5月23日の記事とは矛盾するみたいだけど、
ライターとか編集者としては、わたしはもう職人的な方向でやることに決めて、名物編集者とか名物ライターにはならなくていいやと思っているんだけど、どうも作家にはまだ憧れがあるみたいだ。
『愛と家事』は言いたいことを書けてよかったとけど、まだ満足いってないように思う。
自分の中で作家と名乗れるようなものももっと書いていきたい。

 

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