夜学舎

「書く」にまつわる日記

日記ブームについての考察

日記がブーム

コロナ禍以降日記がブームになっているそうだ。

news.yahoo.co.jp

 

たしかに、ここに書かれている『仕事本 わたしたちの緊急事態日記』(左右社)以外にも、『コロナ禍日記』(タバブックス)、『コロナ禍の東京を駆ける 緊急事態宣言下の困窮者支援日記』(岩波書店)等、コロナ以降日記の本が増えているようだ。
緊急事態宣言でうちにいて、他の人と会う機会が制限されたことで孤独を感じるようになったこと、その間に他の人はどんな生活を送っていたか、どんなことを考えているか知りたいという興味からこういう本が増えているんだろう。

しかしこの記事では日記帳に書くことのブームについては触れられていたが、ネットに書いたり出版したりするブームについては触れられていなかった。
そこで、それらも含めた日記ブームが現状どうなっているかについて書いてみたい。



日記ブームとnoteの影響

日記を読むことだけではなく、書くこともブームになっている。
特にインターネットではnoteの影響が大きかったのではないかと思う。
それまでさまざまなブログがあったけど、noteの一番画期的だと思うところは、
「noteの使い方、機能紹介」のページに


短い文章、下手な文章、ラクガキ...、そういったものを恐れて手をとめる必要はありません。まずは、創作したいこと・伝えたいことを世に送り出す。表現力もファンも、あとから十分ついてきます。


とあるように、未完成でも、下手でも、とにかく発信することと、続けることが重視されていることだろう。

例えばはてなでは、文章がうまい人の戦場という印象があり、そういうところに入るのにハードルの高さを感じた人も多かったのではないだろうか。
しかし、noteはその書くハードルを一気に下げたように思える。
さらに、noteは毎日書くことを推奨しているが、その際に日記を書く人がいちばん多いように感じる。それは、自分の日々の日常が一番書きやすいことだからだろう。
特に日記というのは、その人の生活が材料になるから誰一人として同じものはなく、その人の個性が一番出やすいため、書くことを始めた人にとって一番手軽に始められる。

ただ、一番難しいのも日記だ。
変わった生活を送っているとか、有名とか、文体や内容が面白いといった特徴がないと、なかなか読まれにくい。
また、文章と内容に人間性が出やすいから、リスクも大きい。
簡単に手を出せる一方で、公開するにあたってはプライバシーやものの言い方に気をつけないと炎上を招きかねない。
noteでは有料記事にできる機能により、そのリスクを回避できるようになった。
有料記事にすると一部表示になるので、書くモチベーションを保ちながら、炎上や批判のリスクを減らせる。
また、コメントやいいねといったフェイスブックに近い機能もあるから、承認欲求もある程度満たせる。そういったところが人気の理由ではないだろうか。

 


日記を出版することもブームに

書いて公開するだけでなく、日記を本にして売るということもブームになっているようだ。
文学フリマBOOTHといった手軽に本を売れる場やサービスも増えたことで、日記を本にして人に読んでもらうことが気軽にできるようになった。
書くこと、発信することのハードルだけでなく、出版することのハードルも下がったのだ。

さらには今年の5月には内沼晋太郎氏による月日屋という日記専門書店も登場している。これにより、日記を書いて、公開して、製本して流通できる流れができた。これにより日記本の出版はさらにブームが来るのではないだろうか。

tsukihi.jp

 

 

日記本ブームのこれから

そうすると、次は山ほどある日記本の中からおすすめを紹介するようなサービスができてくるのではないか。

文学フリマBOOTH
の日記は口コミで広まることが多いとが、評判になる前に売り切れて買い逃したりすることが多い。
日記本は作りやすい分、次々出版されてその中から掘り出しものを見つけるのも難しそうだ。
なので、選書サービスが必要とされそうだ。

 

もうしばらくはコロナは続くだろうし、人が書いているのを見ると、自分の執筆意欲も刺激される。

日記ブームはまだまだ続きそうだ。

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