最近Twitterの使い方を変えたという記事を書きました。
今は10時は宣伝事項、17時は一ツイートでもわかって連続しても読めるミニエッセイを連載しています。
今は17日まで「作家と名乗れるまで」を連載中です。
10年ほど前ある出版社の倉庫を見せていただいたことがあります。返品された本や在庫が山のように積んでありました。在庫は資産となり、倉庫も保管料がかかるので売れない本は一部断裁されます。頭ではそのようなシステムはわかっていますが自分の本がそうなるといたく傷ついてしまいました。
— 夜学舎(太田明日香)@『B面の歌を聞け』2号に向けて準備中 (@yagakusha) 2022年3月2日
断裁は頭では在庫量の調整だとわかっていても、ショックの方が大きく、そのことで自信を失っていました。方向性を変えようと創作に手を出したり、ネットでのアピールが足りないのかもといろんなサービスを試してみたりしていました。コロナも重なって、暗中模索の時期が続きました。
— 夜学舎(太田明日香)@『B面の歌を聞け』2号に向けて準備中 (@yagakusha) 2022年3月3日
二冊目を出したいけど書けませんでした。カナダで過ごした2年間のことを書こうと何度も手をつけてみましたがうまく書けません。とっかかりを見つけたと思った連載も、途中で書けなくなりました。早く書かなければという焦りに少しずつ追い詰められていきました。そこにコロナが追い討ちをかけました。
— 夜学舎(太田明日香)@『B面の歌を聞け』2号に向けて準備中 (@yagakusha) 2022年3月4日
2月21日〜28日は「本という森」
印税だけで食べられない自分はダメだ思っていた時期がありましたが、それは私のせいというより出版社の「売れる」ものや「重版」を重視する姿勢によるものが大きい部分と思いました。時代や環境問題もあるのにすべてを自分の責任だと思うのは不健康だと考えるようになりました。
— 夜学舎(太田明日香)@『B面の歌を聞け』2号に向けて準備中 (@yagakusha) 2022年2月21日
去年ある出版社に持ち込みをしたけど、結局書籍化にはいたりませんでした。本にしないとという気持ちに囚われてずっと苦しかったのですがふと本にはならなかったけど、満足いくことが書けたからいいのではという気持ちになりました。そういうのもまた作家のあり方ではないかと考えるようになりました。
— 夜学舎(太田明日香)@『B面の歌を聞け』2号に向けて準備中 (@yagakusha) 2022年2月22日
本を出してから書くことだけで食べられない自分はダメだと思っていました。本は一つ一つが世界で横並びのはずなのに、いつのまにか部数や知名度やファンの数や賞や印税などでランキング化される世界だととらえてしまっていたのです。
— 夜学舎(太田明日香)@『B面の歌を聞け』2号に向けて準備中 (@yagakusha) 2022年2月23日
なかなか二作目が出ないので、置いてきぼりを食らっているようで、人の活躍を見るととても辛くなってしまいました。しかし、よく考えたら書いている内容も、活動範囲も全然違うし、ファン層も違うので、そもそも比較する必要がなかったのに、ということに気づきました。
— 夜学舎(太田明日香)@『B面の歌を聞け』2号に向けて準備中 (@yagakusha) 2022年2月24日
本はお金じゃないという言葉はやりがい搾取につながりかねず好きではないですが、お金だけだと自信が持てなくなり、心が貧しく、狭くなります。本という世界の大きな森を作る一本の木というような自分でも立っているけど大きなものの一部を形成しているような気持ちでやっていけないかと思いました。
— 夜学舎(太田明日香)@『B面の歌を聞け』2号に向けて準備中 (@yagakusha) 2022年2月25日
森が一つの生態系をもっていて一本だけで立っていられないように、本も一人の考えだけだけで書かれているのではなく、様々な本の影響をうけながら存在する。それに気づいたとき、優劣や序列より、私の世界、あなたの世界、誰かの世界が並存することに目を向けた方がいいと思い至りました。
— 夜学舎(太田明日香)@『B面の歌を聞け』2号に向けて準備中 (@yagakusha) 2022年2月26日
書き手になってから本に楽しく向き合えなくなり後悔もありました。嫉妬や自信喪失で辛く苦しい時期もありました。でも、本の世界には売れる売れないとは別の軸が存在します。私は書くことで本の広大な世界に参画することができることに気づきました。それは苦しみに勝るとも劣らない喜びでした。
— 夜学舎(太田明日香)@『B面の歌を聞け』2号に向けて準備中 (@yagakusha) 2022年2月27日
私は多くの人がしてきた経験に乏しく、長らくそれがコンプレックスでした。しかし、書くことを通じて、喜びや苦しみなどさまざまな感情を味わいました。それと向き合うことは精神的な成長をもたらしてくれました。私にとって書くことは、一種の人生の修養のようなものなのかもしれません。
— 夜学舎(太田明日香)@『B面の歌を聞け』2号に向けて準備中 (@yagakusha) 2022年2月28日
4月までの更新記録と今後の予定は以下の通りです。
3月18日〜30日「書き手になることと幸せ」
3月31日〜4月19日「"見返してやる"の罠」
4月20日〜30日「不安にのみこまれないためには」
5月1日〜18日「楽に書く」
5月19日〜6月2日「"よかったね"でいい」
6月3日〜16日「怒るのが下手な人は」
6月17日〜7月5日「"私は違う"から降りたい」
お楽しみに!
こちらは、『書くことについてのノート』としてまとめました。