夜学舎

太田明日香の本を出すレーベルです

ZINEの手売りをしてみよう(リアル編)

わたしは仕事柄よく人に「どうやって本を作るんですか」と聞かれることが多い。
それまでは一人ひとりその都度、聞かれたことを答えるみたいな感じだったけど、
せっかくの機会なので、「ZINEのとも」というシリーズとして、
ZINEづくりのヒントを公開したいと思います。


どうか万国の「ZINEのとも」の皆様の参考になりますように!

前回売り方の話を書きました。

yagakusha.hatenablog.com


◎どんなイベントに出すのがいいか

売る場所は本屋でだけではありません。
今は文学フリマやZINE制作者のための即売会など、
自分で本を作っている人が直に販売できる場がたくさんあります。
自分の本ができたらぜひそういう場で積極的に売っていきましょう。

文学フリマや即売会は同好の士に会える絶好の機会です。
お客さんも、ある程度ZINEを買うことに慣れている人も多いでしょう。
またブースつながりで友だちや知り合いができたりします。
しかし、人数なども多いですし、申し込み手続きなど結構きっちりしています。
そういう大きなイベントはハードルが高いという人は、
もう少し小規模のイベントをさがしてみましょう。

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写真は、奈良の初宮神社で毎月5のつく日に行われている初宮五縁市の様子

地域のマルシェ、自作のものを売ってもいいというフリマ、
手作り市などもいいでしょう。
ただし、お客さんが本好きばかりとは限りません。
なので、ここはある程度本好きが来ると見込める場がいいでしょう。
例えば一箱古本市や本屋で開催されるイベント、
出店者に本屋の人や古本屋の人がいるイベントなどが狙い目でしょう。
参加者は本好きの人が多い可能性があります。
また、ある程度定期的に開催されているイベントも狙い目です。
単発よりも知名度が高く、常連客がついている場合が多いです。

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自分の出すものが趣旨に合っているかわからない場合は、主催者に問い合わせを

◎売ることよりも場や交流を楽しもう

次に出す目的です。
なんでもそうですが、こういうイベントでめちゃくちゃ売れるという期待は禁物です。
売れなかったときの帰りのダメージが辛いし、
なによりイベントの最中にモチベーションが下がります。
なので、本末転倒かもしれませんが、本を売るのを一番にしてはいけません
がんばって売り上げをあげようとするのもいいかもしれませんが、
それが場の雰囲気と合わないようならむしろ逆効果になります。
むしろここは宣伝の場だと割り切りましょう。
業界外の人、インターネットでは出会えない人と出会う場と捉えましょう。
チラシと名刺を持参。
お客さんにはとりあえず声をかけてみたり、チラシを渡してみたりしましょう。
思わぬ情報を得られたり、自分は買ってくれなくても人にすすめてくれたりします。
口コミを期待しましょう。

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小学生の女の子がお母さんと一緒にはっさくを売っていた


◎出店時のアドバイス

それから、一番のお客さんはほかの出店者です。
できたらチャンスがあればほかのお店で買い物してみましょう。
お互い交流しているうちに興味をもってくれる可能性があります。
なんならチラシや名刺をよぶんに渡しましょう。
口コミで広めてくれるかもしれませんし、
何か別のイベントで声をかけてくれるかもしれません。

何回かこういうイベントに出してみて思ったのは、
よっぽどの本好きでない限り、出せるのは500円から
1000円以内までかなという印象です。
もし作っている本が高値なら、ワンコインで買えるような
オリジナルグッズを作るのもいいでしょう。
また、関連書籍を売ったり、ほかの人からおもしろそうなZINEを仕入て、
おすすめ本として売るのもいいかもしれません。
あまり種類は多すぎると肝心の自分の本が目立たなくなるのでいけません。
3-5種類くらいあると、話のネタにもなっていいです。

◎読者を探す手段

わたしはいつも、だいたい半日出して5冊くらい売れたらいい方です。
それでは食べていけませんし、割に合わないかもしれません。
こんなちまちま売ることに意味があるのか?といわれたら、答えに困ります。
しかし、知らない土地やいつもとは違うコミュニティに行くのは刺激になります
それに、インターネットの向こうにいる人ばかりが読者ではないでしょう。

どんな本でも、本という形になっている限り、
不思議なことにだれか読んでくれます。
でも、その読者は黙っていて向こうからやってくるというわけではありません。
だから、自分に無理のない範囲で、自分から読者を探しに行くのです。



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